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川口の自然を守る会で、2015年より始めた産卵地保護の実例をお伝えします。工事期間は2015年10月10日〜10月15日のまでの期間内の内、4日間でした。整備された池で産卵や幼生の発育などの基礎調査を行う予定です。実験室とフィールドでは、その生態が全く異なることがこれまでの経験でわかっています。これまで、フィールド調査は、この付近に多数生息するイノシシや、ゴルフ場排水の影響などがあり、連続的、継続的な調査が出来ませんでした。今回はゴルフ場の農薬の影響がない場所にイノシシ防護柵を設置し、トウキョウサンショウウオの生息が以前から確認されている場所を選定しました。また、大雨による産卵場所の流失などが全くない安定した水環境、土壌環境も確保されました。 |
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あゆみ池 アズマネザサに覆われた湿地にあゆみ池を整備することにしました。その整備作業についてお知らせします。簡単な池のようですが、当会の15年にわたる各種のノーハウが詰め込まれており、大きな成果を生んでくれるものと思っています。この湿地には今年11対の産卵がありましたが、変態直前まで生育した幼生は日照りとイノシシの害によって、僅か1匹しか確認されませんでした。湿地は何か所ものイノシシのヌタ場が作られ、ごしゃごしゃのされてしまいました。ここにイノシシの防護柵を設けた保護池を作りました。 |
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10月10日の作業 湿地周辺のアズマネザサ刈り取り
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10月12日の作業 10日の作業で刈り取ったアズマネザサの片づけと、新たに湿地周辺のアズマネザサの刈り取り、及び片付け |
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10月14日の作業 竹を切り出しイノシシ防護用の柵にする杭、40本を作った。1メートルの長さに切り、半分に割り、片方を尖らせた。湿地に倒れ込んでいる倒木や、湿地の中に埋もれている木や竹の倒木などを掘り起し、片づけた。 |
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池の周囲にある無尽蔵の竹を使い竹杭を作る。長さ1メートル、二つ割にして先を尖らせる |
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10月15日の作業 杭打ち、ビス穴あけ ビスののねじ込み、土の撹拌、これにより腐食臭の除去 |
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竹の杭に4本のビスを通し、針金を張る。高さは下から20、35、50、65センチ。4段に通す |
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柵の長さは50メートル。これでイノシシの侵入を防ぐ。アライグマやハクビシンには効果無し。 |
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中央に枯損木の太いものを置き、流速を弱め、止水性を高める。 |
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完成したまゆみ池。広さ50u(杭の内側)、水の満たされている面積20u、水深0〜8p、平均4p。この上に落ち葉が積り、絶好の産卵場所となる。 |
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参考資料
計画、作業:川口の自然を守る会 五味。
作業日数及び時間 4日間、延べ16時間。
費用:2500円(ビス350本入り1箱、M4×19皿頭タッピングビス、1.6ミリビニール被覆針金100メートル×2巻)
使用した道具:草鎌、小鉈、大鉈、三本鍬、熊手、竹挽き鋸、木挽き鋸各一丁、充電式スクリュードライバー一式 |
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今後の作業観察、調査予定
池の撹拌、底土へ酸素供給:水質浄化、
水温の測定:
10月20日 午前10時 気温17.5度、水温18.3度 |
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