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天合峰のスミレ
天合峰では里に咲くスミレと山地に咲くスミレが同時に見られます。日当たりの良い土手に咲くもの、樹陰にひっそり咲くもの、沢沿いの湿地に咲くもの、明るい尾根に咲くものなど、変化に富んでいます。特筆されるのは、ナガハシスミレです。普通は北陸の豪雪地帯に見られる地域種です。
天合峰のスミレを代表するコミヤマスミレの清楚で気品に満ちた姿はすみれファンを魅了する
川口の自然を守る会  最終更新 2015−04−30
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以下に、天合峰及び山麓の八王子市川口地区で見られるスミレをご紹介します。このページは編集中で、まだ変更されますので、ご承知ください。昨年(2014年)発行された八王子市史自然編を参考にしました。市史に紹介されている高尾山のスミレと、この天合峰のスミレは良く似ています。まだ編集段階なので、誤りも多いと思いますので、誤りに気付かれた方は下記へご連絡いただければ幸甚です
川口の自然を守る会
種名 種名
1 アオイスミレ 11 ツボスミレ
2 アカネスミレ、オカスミレ 12 ナガハシスミレ
3 アメリカスミレサイシン 13 ナガバノスミレサイシン
4 アリアケスミレ 14 ニオイタチツボスミレ
5 エイザンスミレ 15 ノジスミレ
6 コミヤマスミレ 16 ヒゴスミレ
7 シハイスミレ 17 ヒナスミレ
8 スミレ 18 マキノスミレ
9 タカオスミレ 19 マルバスミレ、ケマルバスミレ
10 タチツボスミレ 20

1 アオイスミレ(葵菫) スミレ科スミレ属

当地では三月中下旬に開花する。スミレの中では早く開花する。樹陰を好み、乾燥を好まない。花弁の内、側弁が開かないので、縦長の感じがする。葉の形がフタバアオイに似ているところからこの名がある。木の葉が茂り、樹林が暗くなると、それに対応した葉に生えかわる。川口で多く見られる種。
左:2015−03−19 川口町
右:2014−03−31
 川口町
2 アカネスミレ(茜菫)・
  オカスミレ(丘菫) スミレ科スミレ属


葉、花などに短毛の生えているものをアカネスミレ、無いものをオカスミレとするが、それぞれに個体差があり、明確には区別し難い。花の色は茜色、生育地は丘陵である。里山の南斜面や山麓の道などで見かける。花の色が鮮やかなのでよく目立つ。当地での花期は4月上旬。
川口で多く見られる種。
左:2014−04−13 川口町
右:2007−04−14 川口町


3 アメリカスミレサイシン
  スミレ科スミレ属 

外来種、園芸種が流出したもの。先入観で論じてはならないが、このスミレの逞しい増殖力には閉口する。白色もある。人家に近い所から、山裾、最近では山中まで生息域を広げている。川口で急速に生育範囲を拡大している種。
左右とも:2015−04−17 川口町

4 アリアケスミレ(有明菫) 
  スミレ科スミレ属


葉は細長い。花ビラの横向きと下向きの三枚に紫色の筋が入る。この色合いが有明の空の色に似ている?ところからつけられた名だという。道端などに良く見られ、5月の末頃まで見られる。周囲の緑が濃くなってから咲くので、目立ちにくい。川口で比較的多く見られる種
左:2011−04−29 川口町
右:2015−04−28 川口町

5 エイザンスミレ(叡山菫) 
  スミレ科スミレ属


比叡山の名からきている山地性のスミレで、やや日陰、湿地を好む。淡いピンクから白色まで見られ、地域差、個体差によって変化がある。川口丘陵に多く見られる。葉が裂けているのが特徴で、スミレファンに好まれる。盗掘が多く、減少傾向が著しい。現在のところ川口では多く見られる種
左:2014−04−19 川口町
右:2010−04−09 川口町

6 コミヤマスミレ(小深山菫)
  スミレ科スミレ属

最も遅く咲く。当地での開花は4月末〜5月初め。花は白色で小さい。やや岩場で、水しぶきや蒸発水分が当たるような場所を好む。生育地が限られており、消滅の危機にある。川口では稀な種。
左右とも2015−04−29 川口町

7 シハイスミレ(紫背菫) スミレ科スミレ属

写真ではわからないが、葉の裏が紫色を帯びているのでこの名がある。花は紅紫色。花びらの背後に突き出ている(距=きょ)は長くて上に反り返る。葉は横向きで、花よりはあまり高くならない。雑木林の林床に多く見られる。川口ではごく普通に見られるが、都の準絶滅危惧種である。川口では比較的多く見られる種。
東京都準絶滅危惧種
左:2014−04−13 川口町
右:2014−04−13 川口町

8 スミレ(菫)スミレ科スミレ属
 

日当たりの良い土手や丘陵の南斜面などに咲く。葉が上向きであったり、葉に翼がある。葉柄、花柄などに密な短毛がある。ノジスミレとよく似ているが、ここにあげた特徴が異なる。
川口では比較的少ない種。

左: 2015−04−28 川口町
右: 2015−04−06 川口町

9 タカオスミレ(高尾菫)
  ヒカゲスミレ(日陰菫) スミレ科スミレ属


高尾山で発見されたことからこの名がある。花期に葉がこげ茶色になるのがタカオスミレ、緑色なのがヒカゲスミレで、川口のものはこげ茶色というより、緑に茶色が混ざったような中間的な色合いのものもある。やや山地に見られる。川口では稀な種。
2014−04−13 川口町
2010−04−06 川口町

10 タチツボスミレ(立坪菫)
 
   スミレ科スミレ属


里にも畑にも山にも、どこにでもある。一番身近なスミレである。花茎は枝分かれして、高くなる。大工道具の墨壺を立てたような形であるところから名づけられたという説のほかに、最近では立坪菫という文字が普通に使われている。
非常に多い種。
左:2014−04−15 川口町

右:2015-04-20 川口町

11 ツボスミレ(坪菫) 
  スミレ科スミレ属
昔、大工さんが使った”墨壺=すみつぼ”に形が似ている?ところからつけられた名という説もある。とても小さい花であるが、しばしば密生する。湿地や樹陰を好む。山地から平地にかけて、広く分布する。花期はやや遅く、4月中下旬に多く見られる。川口では非常に多い種。

左:2014−04−19 川口町
右:2015−04−28 川口町

12 ナガハシスミレ(長嘴菫) 
   スミレ科スミレ属


距が長い嘴(くちばし)のように見える所からこの名がある。距が長く、上に向かって立つところから、天狗の鼻になぞらえて、テングスミレ(天狗菫)の別名もある。本来は日本海側の豪雪地帯に生育する地域種である。天合峰の生物多様性を象徴する植物である。川口では極めて稀な種。
都の絶滅危惧種
2000−04−17 美山町

13 ナガバノスミレサイシン
   (長葉菫細辛) スミレ科スミレ属


葉は長くてギザギザがあり、元の方はやや細長く括れている。この葉の特徴からつけられた名である。山地性、且つ暖地系のスミレである。川口では早い時期に咲き始め、3月下旬には見られる。花の色は白、ピンク、青紫など変化が多い。沢地のどこにでも見られる。川口では多く見られる種。
左: 2014-04-07 川口町
右:2015−03−22
 川口町

14 ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫) 
   スミレ科スミレ属


濃い紫の花が美しい。鼻を付けると、芳香がある。葉は厚くて照りがある。山地性というほどでもないが、日当たりの良い里山の山道で良く見かける。タチツボスミレに似ているが、花の鮮やかさでは比較にならない。川口ではやや少ない種
左:2014−04−07 川口町
右:2014−04−09 川口町

15 ノジスミレ(野路菫) 
   スミレ科スミレ属


スミレとよく似ている。葉が横に広がり、葉柄に痕跡程度の翼があり、全体に微毛がある。名の通り、道端に多い。コンクリの割れ目などにも逞しく入り込んでいる。川口では多く見られる種
2015−04−04 川口町

16 ヒゴスミレ
(肥後菫) スミレ科スミレ属

葉はエイザンスミレに似ているが、裂け目はずっと細かい。園芸種が多く、民家の庭などで見かけることが多い。これは山の尾根に咲いていたが、近くに産廃処分場があり、残土などから流出した可能性もある。川口では非分布と見るべき種である
川口では極めて稀な種
東京都絶滅危惧種
2007−04−13 上川町

17 ヒナスミレ スミレ科スミレ属

天合峰や今熊山に見られる山地性のスミレで、ナガバノスミレサイシンに良く似ている。葉の基部が丸く切れ込んでいるのが特徴。分布もエイザンスミレやナガバノスミレサイシンに似ている。川口ではやや少ない種
左:2014−04−04 川口町
右:2010−03−31
 川口町
川口町

18 マキノスミレ(牧野菫) 
   スミレ科スミレ属


シハイスミレの変種で、川口にはシハイスミレガ多く、マキノスミレは少ない。シハイスミレの群生地に混在する状態で散見される。西日本では主としてシハイスミレ、北日本ではマキノスミレ、関東甲信越では両者が共存し、交雑種も見られるという。川口では稀な種。東京都絶滅危惧種
2015−04−03 川口町

18 マルバスミレ スミレ科スミレ属


全体に細い毛のあるものをケマルバスミレ、無いものをマルバスミレとして区分してきたが、拡大してみると、毛が無いように見えても微毛があり、両者を明確区分できない。従って、最近では両者を区分せず、マルバスミレに統一しているようである。葉は名の通り丸いものから、ハート形のものまで、個体差がある川口では多い種である
左: 2014−04−19 川口町
右: 2015−04−05 川口町
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