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里山ウオッチング
秋色の犬目山を歩く
里山ウオッチングは川口地区住民協議会が環境講座の一環として行うイベントです。川口地区内の丘陵を歩きながら地域の自然や歴史、文化を学ぼうという企画で、これまでに虚空蔵山、天合峰、高丸山などを歩いてきました。今回は市街化の進む犬目町の北に横たわる通称犬目山を中心とするコースで実施しました。
実施日:2005年11月20日(日)
参加者:80名
コース
やまゆり館→安養寺→勝軍地蔵→飯綱神社→中原台地→残堀川→残堀谷戸→御嶽神社→犬目会館→熊野神社→薬師堂下→犬目山展望→三角点→谷戸→観音山→甲神社→清水公園

川口の自然を守る会 2005−11−30

やまゆり館へ続々集合してくる参加者たち 広々した谷戸を進む一行
犬目会館で町会の歓迎を受けた 熊野神社で内宮の彫刻についての説明
熊野神社内宮の彫刻[桃園の誓い] 祥雲寺跡薬師堂のご本尊薬師瑠璃光如来
犬目山からの展望 甲(かぶと)神社での昼食
犬目山・安養寺
真言宗(弘法大師の開いた宗派)、ご本尊は不動明王、14世紀後半に頼鎮という僧が創建したという。
困民党・塩野倉之助の碑
明治時代の中ごろ、養蚕や織物の設備費がかさみ、借金を返せなくなった川口の農民を救うため困民党という団体を作り活動した。
観音堂
ご本尊は聖観音菩薩、八王子三十三観音第十番札所、巡礼者がこのお堂で唱えるご詠歌”いにしえのかふとの裳をまふてきて”
板碑(コンクリ枠の中の黒っぽい部分
秩父産の緑泥片岩が使われている。中世(鎌倉、室町時代)の墓石、弘安6年(1283=鎌倉時代後期)の年号がある。川口最古。

宝篋印塔
この寺の宗旨である真言宗の根本経典・「陀羅尼」というお経が彫りこまれている。今から約200年前の文化7年(1811)に建立されたが、保存状態が良く、宗教的にも文化的敵にも貴重なもの。
勝軍(将軍)地蔵尊
勝軍地蔵尊と呼ぶ場合は煩悩の軍に勝つ、つまり煩悩を克服する祈願の意味
将軍地蔵尊と呼ぶ場合は、坂上田村麻呂将軍の危難を地蔵尊が救ってくれたという故事により、厄除けを祈願する意味(愛宕山信仰)

飯綱神社と第六天王
昔、この飯綱神社と安養寺は神仏習合の形になっていた。飯綱神社の別当寺が安養寺だった。
第六天王は神奈川県を中心とする地域信仰(信仰の意味は不詳)、この神社は当地では第六天とか天王社と呼ばれることが多い。
アオハダ
飯綱神社から次の中原台地までの山道の樹木の代表的なもの。晩夏の頃に赤い実を沢山つける。秋には黄色く色付ききれい。
中原台地
ここは縄文時代の住居址が多数発見されたところです。特に昭和30年代から四十年代にかけて盛んに発掘が行われ、多数の報告文献があります。特に顔面把手付き土器(人の顔をかたどった取っ手が付いている)は全国的に有名です。
残堀川
中原台地の縄文人も使ったのかな?この川の水。少ないけれどホタルもいるよ。アブラハヤなどもね。水と生き物を大切にしましょう。
残堀谷戸
昔はきれいな田んぼが広がっていました。今は休耕田が多くなりました。その代わり、珍しい水生植物が沢山見られます。ヌマトラノオ、タコノアシなど。

御嶽神社
祭神は日本武尊。犬目の7社を合祀する地区の中心的神社。村社と呼ばれた。
熊野神社
祭神は伊邪那岐尊、覆堂の中に本殿があり、彫刻が施されている。右側面は三国志の桃園の誓い、左側面は養老伝説(孝子・源承内)、背面は鞍馬で天狗から武術を習う牛若丸(義経)
犬目山の展望
どこまで見えるかな?高尾山はどれかな?陣馬山は?八王子城(城山9は?丹沢の山並みも見えます。展望を楽しんでください。
この頂に三角点
標高196メートル、昔の陸軍が管理していました。この下に軍の貯蔵庫が作られ、アメリカ軍の爆弾が落とされ、民家2軒が壊れるなどの被害が出ました。
ウワミズザクラ
この付近に良く見られる樹木で、5月初旬に花を付け、盛夏の頃、細かい実を鈴なりにつけます。秋、最も早く紅葉します。
小さい谷戸の風景
小さい谷戸ですが、まだ田んぼがあります。ヤマアカガエルとか、モリアオガエルが産卵にやってきます。コバノギボウシとかコバノカモメズリなど珍しい植物があります。
観音山
昔、ここに甲(かぶと)観音堂があったので観音山と呼ばれます。(観音堂は安養寺に移されたそうです。見てきましたね。)
小さな祠は稲荷神社と三峰講(秩父の三峰神社)のお札を納める神社です。

甲神社
昔、前田利家という武将が八王子城を攻めたとき、ここに宿営したそうです。立ち去るときお礼に甲を置いていったそうです。その甲を祀った神社です。前に広がる原を甲ノ原(かぶとのはら)とか(かぶとっぱら)などと呼びました。今は(こうのはら)と呼ぶため、甲神社ゆかりの地名が分からなくなっています。
御手洗(みたらし)
どんな日照りでも水の枯れたことがないという。水のない山腹の甲神社のお参り際にこの水で手を洗ったことから生まれた呼び名という。地下深くから浸出するらしい。アズマヒキガエルが昔から棲みついている。貴重な湧水や生物を守っていきましょう。

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