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ヒダサンショウウオ
ヒダサンショウウオは渓流にすむ流水性のサンショウウオです。
八王子市川口地区山間部にヒダサンショウウオがかなりの密度で生息しています。川口の自然を守る会では、2003年以降、継続して生息調査を行っています。濃い紫の全身に黄色い斑点が見られますが、これがヒダサンショウウオの特徴です。ヒダサンショウウは山の中の岩場などで生活していますが、12月になると、冬眠のため渓流に降りてきます。大きな岩石の下やその周辺の砂礫の中などで冬眠し、2月ごろに目覚めて繁殖活動に入り、メスはバナナ型の卵のう2個1対を岩の下に産みつけます。産卵後、4月頃まで水場に残り、その後は山の中へ戻っていきます。一方、卵から孵った幼生(オタマジャクシ)はしばらく水の中で生活し、秋頃に小さな成体(幼体)になります。(これを変態という。)幼体は山へ上がっていきますが、厳しい条件の中で、変態するまでに成長できない幼生もかなりいて、幼生のまま越冬し、、翌年まで水中に残ります。したがってヒダサンショウウオの幼生は一年中見ることが出来ます。
川口の自然を守る会 最終更新 2015-01-15
2014年の成体調査(2014年12月28日)同時調査 ナガレタゴガエル
この時期、ヒダサンショウウオは渓流の岩石の下、砂礫の中にいる。探し出すのはかなり難しく、見られれば幸運と言える。また、この時期にナガレタゴガエルも同じような場所で見ることが出来る。ナガレタゴガエルは既に産卵期に入っている。今回の調査では、両方と3匹ずつ見ることが出来た。ナガレタゴガエルは既に抱卵していた。
ヒダサンショウウオ成体 ♂ 全長14センチ
ナガレタゴガエル成体 ♀ 抱卵している
2010年の卵のう調査
2010年2月21日、川口の自然を守る会の五味、真野の両名で卵のう調査を行った。運良く4対の卵のうと成体を確認できた。八王子市川口地区という以外、詳しい場所は保護上の理由で控えさせていただきます。卵のうは産卵直後のせいか大変に透明感があり、青みがかった美しい色に見えました。
大きな石の裏側に、3対の卵のうが張り付いていた。卵のうの下に成体が3匹認められたが捕獲しなかった。大きな石の下にあった小さな石にも1対産み付けてたあった。水中では美しい青色の鮮やかな蛍光を発する。付近には小滝が幾段にも掛かっていた。水も砂礫も綺麗だった。12月山から渓流に降りてきて冬眠します。岩石の下、きれいな砂礫が冬眠場所です。2月の中、下旬に産卵します。卵から孵った幼生は、その年のうちに変体、上陸する場合もありますが、十分に成長できない場合は、越冬して、翌年に変態上陸します。
越冬幼生(8月)撮影
越冬幼生(1月)撮影
卵のう(4月)撮影
ヒダサンショウウオは冬でも凍らないきれいな湧き水、泥を含まないきれいな砂礫、大きな岩石などを好みます。このような条件を満たしているのは、渓谷のそれも源流に近いところです。しかし、そういう条件が満たされれば、源流でなくても生息しています。
ヒダサンショウウオの生存を脅かしているのは、林道工事と砂防堰堤工事です。林道を整備するとき、土砂が谷に崩れこみ、完成後も崩落が続きます。そうすると、崩落した土砂の中の泥が砂礫の川床を汚し、ヒダサンショウウオは棲めなくなります。そのような工事が進んだ陣馬山、高尾山周辺の谷からヒダサンショウウオはほとんど姿を消してしまいました。これと並んで、堰堤工事が至る所で行われています。堰堤に堆積した土砂や腐敗した倒木などで、一帯のヒダサンショウオは絶滅に追いやられています。
岩に貼りついている卵のう(水から出したところ)
流水の中で蛍光を発している卵のう
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